南鳥島沖で採取した深海底レアアース泥の分析が進み、中・重希土類が全体の約54%を占めることが確認された。2027年に大規模試験採掘、2028年に事業性評価を予定している。日本のレアアース自給への期待が高まっている。
おはこんばんにちは。力学観測研究所のRYOです。
ニュースだけを見ると、
「日本がレアアース大国になる」という夢のある話に見えます。
もちろん、もし商業化に成功すれば、日本の経済安全保障にとって非常に大きな意味を持つでしょう。
しかし、このニュースで最も重要なのは、
「本当に中国より安く作れるのか?」
レアアースは掘れば終わりではありません。
採掘した鉱石や泥から目的の元素だけを取り出す精製工程では、多くの薬品やエネルギーを使います。
鉱床によってはトリウムなど放射性元素を伴うこともあり、廃液や副産物の管理も必要になります。
つまり、採掘よりも精製の方が難しい産業とも言えます。
中国が長年レアアース市場で圧倒的な競争力を持ってきた理由の一つとして、豊富な資源/巨大な国内需要/精製設備への継続投資/比較的低い人件費/環境・廃棄物対策コストが欧米や日本より低かった時期が長かったことなどが挙げられます。
逆に日本では、同じ品質のレアアースを生産するとしても、労働安全や環境保全、廃棄物処理まで含めれば当然コストは高くなります。
だからこそ、「日本にも資源がある(かもしれない)」だけでは十分ではありません。本当に重要なのは、採算が合うのか、世界価格と競争できるのか、あるいは多少高くても「国内で調達できる保険」として価値を持つのかという点です。
今回のニュースを見て、南鳥島のレアアースは「中国に勝てる資源」なのではなく、「中国以外にも調達先がある」という選択肢そのものに価値がある資源なのではないかと思いました。
資源は掘り出した瞬間に価値を持つのではありません。「いざとなれば他から調達できる」と相手に思わせた瞬間から、外交や価格交渉のカードとして価値を持ち始めます。
その意味では、南鳥島のレアアースは鉱物資源であると同時に、日本の経済安全保障を支える「交渉力」という資源にもなり得るのかもしれません。

日本の製造業「レアアース無くてもなんとかしてやったぜ!✨」


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